アポロニア21

Vol.01 歯と口の「病気」は治らない?

むし歯、歯周病といった代表的な歯と口の病気を、歯科医師は総称して 「主要歯科疾患」と呼んでいます。これらの病気は、ある一定のレベルを超える と治ることがない、というのが最近の歯科医療者の常識です。むし歯の場合、エ ナメル質が損傷し、さらにその内部にある象牙質が損傷した場合、失われたエナ メル質、象牙質を回復させることはできません。通常の傷であれば、自然にかさ ぶたができて、皮膚が創傷部位を覆うことで治癒と見なすことができますが、歯 にはそのようなことはありません。

歯周病も同じです。歯肉の腫れや痛みは放っておいても自然に治まりますが、 その間に炎症によって歯肉と歯との間の付着が損なわれ、歯を支えている骨(歯槽骨) も損なわれていきます。これは一般的な歯科治療では回復させることのできないものです。 このようなことから、歯と口の病気は治らないということが言えるのです。 では、何のために歯科医師は仕事をしているのでしょうか。 歯と口の病気を「治す」のが歯科医師の目的なのだとすれば、彼らは仕事をしていない ことになります。しかし、治らない状態のものは厳密には病気とは言えません。 障害、あるいは形態損傷と呼ぶものです。実は、歯科医師がこれまで主要な仕事 としてきた、削って、詰めて、被せてという仕事は、病気を治す行為ではなかっ たのです。最近になって、歯科医師の仕事の内容が変わりつつあります。その変 化について次回以降、お話させていただきます。


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